染料のお話 〜蘇芳・すおう〜
さて、今日は久しぶりに染料のお話です。
くらむぼんの、草木染め体験教室でも人気なのが「蘇芳・すおう」の紅色です。
リクエストを戴いたので、今回のブログでは、この蘇芳についてのお話をしますね。
蘇芳は東南アジアに自生するマメ科の植物です。
仏教と共にシルクロードを渡り、薬としてはるばる日本にやってきました。
切り傷に効果があるとされ、切り落とした身体の一部も蘇芳をまぶしておけば治った!という言い伝えまでありますが、それは蘇芳の持つ色からの発想だったのかもしれません。
もともとは蘇芳色とは血の色をさす言葉でもありました。
それほどに深い紅色が抽出できるのです。
生薬としての名を蘇木(そぼく)といい、
鎮痛、抗炎症薬、月経障害を緩和させる効果があります。
現在では、女性ホルモンを安定させる効果があるといわれており、
煮出していると、とてもリラックスできます。
身体をあたためてくれ、緊張した心を解きほぐしてもくれるように思います。
以前、蘇芳のストールを購入された方から「眠る時に傍に置いておくと、とてもよく眠れる」という感想をいただきました。
「肩こりがよくなった」という方もいて、これは蘇芳の身体をあたためてくれる効果・リラックスの効果ではないかしら、と私は思っています。
何より、華やかな澄んだ色は、ぱっ!と心に響きます。
染料としては樹木の芯の部分を煮出して使います。
煮出す中に蘇芳の色と成分が溶けてしみ出すのを、染め上げてゆきます。
染めている最中の蒸気さえありがたい!と、いつもみなさんから歓声があがるのも、蘇芳染め・草木染めの楽しいところです。
草木染め工房くらむぼんでは、土曜日(不定休あり)に草木染めの体験教室を行っています。
初心者のかたでも簡単に染められますよ。
鎌倉の谷戸の自然を感じながら、のんびり楽しんでください。
お借りしている工房からすぐの「ちいさな森」の緑も美しいです。
指先から、気配から、「植物のちから」を感じていただく一日になればと思います。
お問い合わせ・お申し込みは
kurrambon@gmail.com
まで、お待ちしています。
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